この度理事会の承認を得て、2025-2026年度東海支部長としてお引き受けさせていただくことになりました。化学工学会東海支部は1953年に設立、化学工学会で最も早く設立された伝統ある支部の支部長を拝命し、改めて責任の重さを感じています。
これまで会計幹事、庶務幹事、副支部長と役職を経験させていただき、8年ぶりの支部業務となります。その間、コロナパンデミックがあり、支部運営の仕方が大きく変わりました。オンライン会議が当たり前になり、支部が企画した講習会もオンラインと現地開催のハイブリッド開催が主流となりました。オンラインは会場が不要、移動が不要なため移動時間・交通費の無駄がないなど多くの利点をもたらしました。しかしながら、深いディスカッションができないなど弊害もあり、古からの懇親会の開催希望も多くなってきました。
今年度は久しぶりに化学工学便覧の改訂が控えています。東海支部ではそれを基にした進歩講習会を企画し、化学工学の基本である単位操作の解説を試みます。私は、化学工学の存在の基本は生産技術の開発・改善にあると考えています。生産技術を進歩させることが、人、経費、エネルギーの無駄遣いをなくし、生活を豊かにし、ひいては地球環境の改善につながると思います。また、企業では新戦力の補充が活発となり、化学工学を専門とする学生の取り合いになっています。化学工学の原点に立ち返り、企業技術者のための化学工学という観点で支部運営を進めたいと考えています。
また、東海支部という観点だけでなく、化学工学会そのものの維持・発展も重要です。化学工学会が衰退すれば支部そのものの存在も危ぶまれます。大学研究者にとっても化学工学会がなくなれば研究成果を発表する場もなくなることになります。学会活動が煩わしいと考える研究者も多いと聞きます。そういった研究者のモチベーションを引き上げるために業務のスリム化や会議の在り方などの改善にも力を入れていこうと思います。会員の皆様には従前にも増して本会活動に積極的にご参加いただくと共に、一層のご支援、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
2025-2026年度
公益社団法人化学工学会
東海支部長 加藤禎人 YOSHIIHITO KATO(名古屋工業大学)