化学工学会とは
TOP > 主催行事 > 2023年度の主催行事 > 第57回 化学工学の進歩講習会「サステナブル社会に貢献する固液分離技術 -水浄化と資源循環-」

第57回 化学工学の進歩講習会「サステナブル社会に貢献する固液分離技術 -水浄化と資源循環-」

  • 日程:12月14日(木),15日(金)
  • 会場:ウインクあいち 12階1204号室

概要

主催:公益社団法人 化学工学会東海支部

協賛(予定):化学工学会分離プロセス部会,化学工学会固液分離分科会,グローバルテクノロジー委員会,分離技術会,日本膜学会,日本水環境学会,粉体工学会,東海化学工業会,静岡化学工学懇話会,日本食品工学会,日本食品科学工学会,食品膜・分離技術研究会,資源・素材学会,日本海水学会,空気調和・衛生工学会,日本水道協会,日本粉体工業技術協会,日本エアロゾル学会,環境科学会,廃棄物資源循環学会,膜分離技術振興協会,開発型企業の会

日時:令和5年12月14日(木),15日(金)

場所:ウインクあいち12階 1204号室(名古屋市中村区名駅4-4-38,JR名古屋駅桜通口から徒歩5分)
https://www.winc-aichi.jp/access/方式
会場とZoomライブ配信を併用したハイブリッド方式

濾過,凝集・沈降,遠心分離,浮上分離,圧搾・脱水などの固液分離技術は,主に機械的操作による分離手法であり,旧来よりこれらの技術は着実な発展を遂げ,現在もコストを支配する基幹のプロセスとして重要な位置づけにある.シンプルかつ省エネルギー的で,化学変化や熱的変化を伴わず,二酸化炭素排出量が極めて少ないことから,その重要性が改めて認識されている.近年は特にSDGsや脱炭素に対する意識の高揚に伴い,サステナブル社会に貢献するキーテクノロジーとして,ますます注目度が高まっている.本講習会では,固液分離技術による水浄化と資源循環に焦点を当て,最先端の研究・開発事例をいくつか取り上げ,各々の第一人者が概説する.

-第1日目 12月14日(木)-
開会の辞
(9:55–10:00) (化学工学会東海支部 副支部長) 岩田 修一 氏

1. 循環型社会の実現に貢献する水処理膜技術
(10:00 –11:00) (ダイセン・メンブレン・システムズ(株)) 中塚 修志 氏
サステナブル社会の実現に向けて水,バイオマスおよびその他有価物などの資源を低炭素かつ効率的に回収し,利用することがますます要望されている.本講演では,これからの循環型社会に向けて貢献が期待される水処理膜技術について,基礎的な内容から最近の動向を述べ,弊社製品・技術の実用例についていくつか紹介する.

2. 機能性ナノファイバー不織布による水浄化技術
(11:00–12:00) (名古屋大学) 向井 康人 氏
ナノファイバーを積層させて成形すれば,複雑な三次元ネットワーク構造と広大な表面積をもった不織布が製造でき,さらに表面修飾などにより機能を創出すれば,水中の汚染物質の高度な除去に利用できる.本講演では,主に濾過分離,吸着分離,油水分離への機能性ナノファイバー不織布の適用事例についていくつか紹介する.

3. 水問題を構造から解決する-小規模分散型水循環システム- (13:00–14:00)
(WOTA(株)) 前田 瑶介 氏
地球上の水資源の偏在・枯渇・汚染によって生じる諸問題の解決のため,生活排水を再生し最大限有効活用する「小規模分散型水循環システム」及びそれを実現する「水処理自律制御技術」を開発.2023年は,日常的な水利用を実現する住宅向け「小規模分散型水循環システム」の実証を国内外の自治体・政府等と開始しており,そこから見出した可能性について紹介する.

4. 低炭素型下水処理システムに貢献する超高効率固液分離技術
(14:00–15:00) (メタウォーター(株)) 宮田 篤 氏
電力消費の多い下水道処理システムの省エネ化・脱炭素化への転換は急務な課題となっている.流入下水のろ過処理は,「水処理省エネ化」と「汚泥処理創エネ化」につながる有望な要素技術である.水量変動があり,また夾雑物を含む下水に適した固液分離(ろ過)技術のしくみと水処理への影響について説明し,その適用方法,効果について提案する.

5. 下水汚泥のバイオ燃料化を促進する高度脱水技術
(15:15–16:15) (名城大学) 片桐 誠之 氏
下水汚泥は,有機物含有率が高く,省エネルギー的な操作による高度な脱水を実現できればバイオ燃料としての利用が促進される.難脱水性の余剰汚泥に対して実施した可逆凝集,あるいは破砕凝集・超高圧圧搾脱水法および浸透圧脱水法を紹介するとともに,余剰汚泥を構成する微生物細胞の脱水特性について解説する.

6. バイオ燃料・バイオプラスチック製造に貢献するディスク型遠心分離機
(16:15–17:15) (アルファ・ラバル(株)) 青木 裕 氏
130年以上にわたり微生物分離や植物油精製で多用されてきたディスク型遠心分離機の固液,液液分離技術が持続可能な社会を実現するバイオ燃料やバイオプラスチックスの製造にも応用できることを実績を踏まえて紹介する.本発表は原理,セルセパレーション概要,油水分離概要,省エネ最新機種紹介の4章で構成される.

-第2日目 12月15日(金)-
7. リチウムイオン電池・太陽光パネルの資源循環のための分離技術
(10:00 –11:00) (早稲田大学) 所 千晴 氏
リチウムイオン電池や太陽光パネルなど,再生可能エネルギーデバイスの資源循環のための分離技術開発が求められている.分離の最終プロセスでは酸浸出によってリチウム,コバルト,ニッケル,銅,銀などをイオン化して回収することが多いが,そのためには適切な前処理技術が必要となる.本講演では,その一例として電気パルス法の開発例を紹介する.

8. 表面処理プロセスにおける排水処理と資源回収
(11:00–12:00) ((株)三進製作所) 北川 富則 氏
表面処理技術の1つであるめっきの多くは,湿式プロセスで行われており重金属を含んだ有害な排水が排出される.そのため表面処理排水の処理では重金属を不溶化して排水から分離し,排出基準を満たす水質まで処理することが重要である.本講演では,排水処理における固液分離法と資源回収について紹介する.

9. 宇宙ステーションにおける資源循環~尿再生装置の革新的なアプローチ~
(13:00–14:00) (栗田工業(株)) 今村 勇気 氏
有人宇宙探査では貴重な水資源を再利用する技術が重要であるが,設置空間や消費電力の制限が大きい.新たな尿再生装置は小型且つ低電力での高い水回収率を実現した.微小重力下での気泡挙動や水処理への影響検証を目的とした国際宇宙ステーション「きぼう」での実証結果も踏まえて紹介する.

10. 環境に調和した生分解性プラスチック製濾過膜
(14:00–15:00) (新潟大学) 田中 孝明 氏
サステナブル社会の実現のための固液分離技術には環境に調和した濾材も求められる.使用後に目詰まり成分とともにコンポスト(堆肥)化処理が可能な濾材を目指して演者らが開発に取り組んでいる,生分解性プラスチック製濾過膜,特にポリ乳酸製濾過膜などの生分解性バイオマスプラスチック製濾過膜の研究を紹介する.

11. 半導体製造における超純水と機能水
(15:15–16:15) (オルガノ(株)) 矢野 大作 氏
半導体製造工程においては,回路パターン寸法の微細化に伴い,ウェハ洗浄および薬液希釈用に最高グレードの超純水が求められ続けている.また,薬品使用量の削減や電子材料の多様化に対応するため,機能水の用途も拡大している.本講演では半導体分野における「水」について,回収技術も含め,近年のトレンドを紹介する.

12. 植物バイオマスからのセルロースナノファイバー分離技術と応用研究
(16:15–17:15) (愛媛大学) 秀野 晃大 氏
植物バイオマスに含まれるセルロースは,地球上で最も豊富にある天然高分子である.セルロース繊維を分離し,微細化する事で,セルロースナノファイバー(CNF)と呼ばれる高機能ナノ材料を調製できる.本講演では,植物バイオマスからセルロース繊維およびCNFを分離する技術と応用研究について紹介する.

閉会の辞 (17:15–17:20) (名古屋大学) 向井 康人 氏

定 員: 130名 (会場 定員50名,Zoomライブ配信 定員80名)
※ビデオ会議ツール「Zoom」ライブ配信での参加の場合の推奨環境については,当該ツールをご参照下さい.Zoomで参加の方には申込締切後,視聴用のURLを別途メールにてご連絡いたします.注意事項は,別途参加申込者に連絡されるメールよりご確認下さい.
※会場参加者にはメールにて参加証をお送りいたします.参加証は当日ご持参下さい.

参  加  費 (配布資料代・消費税を含む)

化学工学会正会員 30,000円
化学工学会法人会員社員/共催・協賛団体(個人・法人)会員 35,000円
化学工学会学生会員/共催・協賛団体学生会員 5,000円
会員外 70,000円
申込期限: 令和5年11月30日(木) ⇒12月5日(火)まで延長いたします。

お申し込みについて

「第57回 化学工学の進歩講習会「サステナブル社会に貢献する固液分離技術 -水浄化と資源循環-」」へのお申し込み受付は「2023年12月13日」に締め切らせて頂きました。

たくさんのお申し込みありがとうございました。

↑ページの先頭へ