概要
主 催
(公社)化学工学会東海支部
共催(予定)
静岡化学工学懇話会,東海化学工業会,(公社)日本分析化学会中部支部,(公社)日本化学会東海支部,(一社)資源・素材学会,(公社)高分子学会東海支部,(一社)日本原子力学会中部支部,(一社)廃棄物資源循環学会,日本溶剤リサイクル工業会,(一社)日本機械学会東海支部,(一社)日本エネルギー学会,化学工学会産学官連携センターグローバルテクノロジー委員会
協賛(予定)
(公財)名古屋産業振興公社,(公社)日本水環境学会,(一社)電気学会東海支部,(一社)粉体工学会,(公財)中部科学技術センター,(公社)電気化学会東海支部,(公社)有機合成化学協会東海支部,ISPE日本本部,日本PDA製薬学会,製剤機械技術学会,(公社)日本金属学会,(一社)日本鉄鋼協会東海支部
日 程
第1クール(初歩):7月 7日(金),10日(月)9:45~17:15(昼食休憩:13:00~14:00)
第2クール(基礎):7月 19~21日(水~金)9:45~17:15(昼食休憩:13:00~14:00)
対 象
第1クール:初めて化学工学を学びたい方.初めてプラント設計,運転に携わる方.高卒程度の知識がある方.プラントや実験装置で起こる物質収支,熱収支の基礎を学びます.
第2クール:基礎から応用例を学びたい方.工学部卒,高専卒程度の知識のある方.物質収支,熱収支,移動論の基礎から実践的な例を学びます.
昨今では,AIやIoTなどを踏まえつつスマート化を目指した化学プラント構築の模索が行われておりますが,化学工学の理論との整合性を踏まえて実装する必要があります.また,高純度化を目指すプラント設計やトラブル解決のためにも化学工学の専門的な知識を持つ技術者の存在は,ますます重要となっています.
本講習会では,受講者のレベルに応じて3つのクールを用意しました.プラントの設計や運転には関わっているが化学工学を勉強する機会がなかった初心者の方,さらに専門的な知識を習得したい技術者の方まで,原理や理論の説明に加え,豊富な事例に基づく例題を解きながら学べる機会を提供します. 2023年度は,全てオンライン方式(Zoomによるライブ配信)により開催します.ライブ配信では,チャットや音声通話機能を用いて,参加者からの質問を受け付ける予定です.
なお,第3クール以降も,順次開催する予定です.是非聴講をご検討ください.
開催方式
Zoomによるライブ配信を利用したオンライン方式
定 員
ライブ配信の定員:90名
(定員になり次第締め切りとさせていただきます.企業向けの講座ですが,学生が受講されても構いません.ただし,定員を超えた際には企業の方を優先させていただきます.申込者数が最少催行者数に到達しない講義については,開催しない場合があります.)
会員特典
化学工学会正会員,学生会員ならびに法人会員会社社員の方は,本講座の受講者に限り,各クールで利用するテキストを特別販売いたします.
*第1クールで利用するテキスト:『基礎化学工学』(共立出版)税込3,300円→1,500円
*第2クールで利用するテキスト:『化学工学 改訂第3版』(朝倉書店)税込2,750円→1,000円
テキストをお持ちでない場合は,参加費にテキスト代を加えてお申し込み下さい.
参加費(消費税を含む)
第1クール | 第2クール | |
日 数 | 2日間 | 3日間 |
化学工学会正会員 | ¥15,000 | ¥25,000 |
化学工学会法人会員会社社員 | ¥20,000 | ¥30,000 |
共催・協賛団体会員 | ¥25,000 | ¥35,000 |
学生会員 | ¥8,000 | ¥10,000 |
会員外 | ¥50,000 | ¥60,000 |
※ビデオ会議ツール「Zoom」の推奨環境については,当該ツールのマニュアルなどをご参照ください.後日,視聴用のURLを別途メールにてご連絡いたします.ライブ配信に関する注意事項は,別途参加申込者に連絡されるメールよりご確認ください.
申込締切
第1クール: 6月 27日(火)
第2クール: 7月 5日(水)
プログラム
月 日 | 時間 | 講義 | 内 容 | 講 師 | |
第1クール(初歩 | 第1日 7月7日(金) |
午前 | 化学工学の入門 | 単位と次元(Ⅰ),プロセス変数,状態方程式(Ⅰ) | 静岡大学 立元雄治氏 |
午後 | 物質収支の基礎,複雑なプロセスの物質収支,エネルギーの基礎 | 静岡大学 前澤昭礼氏 |
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第2日 7月10日(月) |
午前 | 反応系のエネルギー収支 | 静岡大学 福原長寿氏 |
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午後 | 化学プロセスの基礎,化学プロセスの計算 | 静岡大学 武田和宏氏 |
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第2クール(基礎) | 第1日 7月19日(水) |
午前 | 化学工学 基礎・拡散 |
単位と次元(Ⅱ),状態方程式(Ⅱ) | 名古屋工業大学 名誉教授 多田 豊氏 |
午後 | 収支,拡散,物質移動,燃焼計算 | 日油㈱ 押川貴成氏 |
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第2日 7月20日(木) |
午前 | 流 動 | 流体の流れと計測,円管内の流れ,流体と輸送 | 名古屋工業大学 岩田修一氏 |
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午後 | 流体輸送機器の設計と実際 | 三井化学㈱ 坂本大介氏 |
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第3日 7月21日(金) |
午前 | 伝 熱 | 伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱 | 名古屋大学 窪田光宏氏 |
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午後 | 熱交換器などの設計と実際 | KHネオケム㈱ 中西仁志氏 |
ガス吸収,蒸留,抽出・吸着,粉粒体操作,固液分離,調湿・乾燥,撹拌・混合,反応工学,プロセス制御,の各講義を
1日単位で開講予定です.開催時期は第2クールの開催後(8月頃)の予定です.
参加の際の注意
(注1)関数電卓,定規を使用する場合がございますのでご用意ください.
(注2)本講座の配布資料や配信動画は著作物のため,複写・録音・録画・転載・上映・無断公開等を禁止いたします.
(注3)受講者様に起因する視聴トラブルについては,弊会は責任を負えませんのでご理解ください。
(注4)配布資料ならびにテキスト(申込者のみ)は事前郵送します.郵送可能な住所をご登録ください.
講義概要
【第1クール(初歩・入門編)】
第1日目 7月7日(金)午前
【化学工学の入門(初歩),単位と次元(Ⅰ),プロセス変数,状態方程式(Ⅰ)】
講師:静岡大学 立元雄治氏
単位と次元,プロセス変数および気体の状態方程式についての基本事項を解説し,演習問題を行う.単位と次元および状態方程式については,基本的なもの(SI単位,単位換算,理想気体と実在気体の違い)を取り上げ,第2クールにてさらに発展した内容を取り扱う.プロセス変数では,質量,体積,密度,流量と流速,化学組成,圧力,温度についてその概要と測定法を取り上げる.
第1日目 7月7日(金)午後
【物質収支の基礎,複雑なプロセスの物質収支,エネルギーの基礎】
講師:静岡大学 前澤昭礼氏
様々なプロセスが存在するが,そのプロセスにおける最も基本的な概念は物質収支である.化学反応が伴っていても,時間とともに状態が変化する場合でも,物質収支が基礎となる.また,エネルギー収支についても同様である.この講義では,物質収支の基礎とその応用およびエネルギーの基礎について説明をし,理解を深めるために演習を行う.
第2日目 7月10日(月)午前
【反応系のエネルギー収支】
講師:静岡大学 福原長寿氏
化学反応プロセスの設計では,対象系の物質収支と同様にエネルギー収支を正しく把握することが重要である.本講義では,反応プロセスに関した簡単なエネルギー収支の取り方を紹介し,得られる収支の情報からプロセス設計をどのように行なうのかについて,演習問題を解きながら説明する.
第2日目 7月10日(月)午後
【化学プロセスの基礎,化学プロセスの計算】
講師:静岡大学 武田和宏氏
化学プロセスを理解することを難しくしている要因「対象の状態を直接観察することができない」,「副生成品の存在」,「リサイクル構造」について学ぶ.また,化学プロセスの段階的な設計(概念設計,基本設計,詳細設計)や標準化の重要性を学ぶ.さらに,リサイクル構造を含む複雑な収支の計算,および省エネルギーを目的とする熱交換量の計算について例題を解きながら学ぶ.
【第2クール(基礎から応用へ)】
第1日目 7月19日(水)午前
【化学工学基礎・拡散】
講師:名古屋工業大学名誉教授 多田豊氏
単位,次元とは何か,なぜ単位換算は重要なのか,物質移動や熱移動等における複雑な現象を有用な無次元式として導出できる次元解析を解説,演習する.また,気体の体積は圧力,温度により大きく変化し,工場の装置の設計,運転において,これら圧力・温度・体積の関係を知ることは重要である.この関係を低圧から高圧まで正確に表せる3次状態方程式と,その解法として優れた数値計算法であるNewton法を解説,演習する.
第1日目 7月19日(水)午後
【化学工学基礎・拡散】
講師:日油㈱ 押川貴成氏
化学プラントを操作設計する際,物質,エネルギーが内部でどのような動きをしているのか把握しておくことは極めて重要である.化学プラント設計のベースとなる物質収支およびエネルギー収支,また収支計算の応用である燃焼計算について,基本的な手法を解説し,演習を行い,理解を深める.また,拡散,物質移動について,基本的な概念を解説する.
第2日目 7月20日(木)午前
【流動】
講師:名古屋工業大学 岩田修一氏
化学工業プロセスでは,液体や気体などの流体は配管により輸送されている.配管やポンプなどの機器の選定には,流体の輸送に必要なエネルギーを求めることが重要である.この講義では,「流体の流れと計測」,「円管内の流れ」,「流体と輸送」を通して輸送に必要なエネルギーを求めるための原理や計算方法を説明し,理解を深めるための演習を行う.
第2日目 7月20日(木)午後
【流動】
講師:三井化学㈱ 坂本大介氏
流体輸送機器のうちポンプに焦点を当て,実務で必要な知識を説明する.主な講義内容は,①ポンプの分類,構造,②ポンプ選定時の前提条件(流量,揚程,動力,材質),③ポンプの性能曲線,④キャビテーションとその対策,⑤ ポンプ・配管設計時の注意点.講義の合間に演習問題を行う.
第3日目 7月21日(金)午前
【伝熱】
講師:名古屋大学 窪田光宏氏
伝熱はあらゆるプロセスに介在し,反応温度の制御,熱損失の低減,熱交換などに対して支配的な役割を担っている.本講座では,伝熱の3つの形態である伝導伝熱,対流伝熱,放射(輻射)伝熱の伝熱原理や基礎式の導出を解説する.さらに,定常状態における各伝熱形態の伝熱量の算出についての演習,解説を行う.
第3日目 7月21日(金)午後
【伝熱】
講師:KHネオケム㈱ 中西仁志氏
熱交換器に関する業務に携わる際の入門として本講義を活用可能なことを狙いとし,前半は熱交換器の種類や基礎式などの基礎知識について学び,後半はNTU法を用いたより実践的な熱交換器の設計方法/性能改善方法について学ぶ.講義は「化学工学-解説と演習」の例題や演習問題を用いて,演習を中心に進める.
お申し込みについて
「第47回 基礎化学工学演習講座(第1,2クール)」へのお申し込み受付は「2023年7月5日」に締め切らせて頂きました。
たくさんのお申し込みありがとうございました。