概要
主 催: 分離技術会
協 賛(予定): 化学工学会(分離プロセス部会,基礎物性部会,システム・情報・シミュレーション部会,関東支部,東海支部,関西支部),石油学会,日本化学会
日 時: 2021年2月19日(金) 10:00~17:10
場 所: Zoomによるオンライン開催
定 員: 80名(先着順)
蒸留は、あらたに分離操作が開発される現在も重要な分離操作であり、多くの化学・石油プロセスに利用されています。今回は、「蒸留技術の最新動向」というテーマで、可視化技術による蒸留塔内の挙動把握およびトラブルシューティング、最新の省エネルギー技術動向やその最適化手法、高度制御技術、蒸留設備周りの主要機器の設計などの事例について講演いただきます。蒸留塔の設計、建設および運転に携わる技術者のみならず、研究者にとっても非常に役立つ内容となっております。奮ってお申し込み下さるようお願い申し上げます。
■ プログラム
1.基調講演 蒸留塔シミュレーションの進歩と応用 (10:00~10:40)
蒸留モデルの進歩と計算機の性能の飛躍的な向上により,蒸留塔のシミュレーションは蒸留塔の概略設計だけでなく,既設蒸留塔の性能の評価,トラブルシューティング,新規プロセスの可能性の検討など,広く応用されるようになってきた。本講では,平衡段モデルと速度論モデル,段効率,HETPなどの蒸留塔モデルの解説と計算例,シミュレーションを用いた蒸留塔解析の例を紹介する。
名古屋工業大学 森 秀樹 氏
2.蒸留塔設計の世界標準:FRI (10:40~11:20)
FRI (Fractionation Research, Inc.) は、工業規模の試験装置により、蒸留塔の設計法を確立するために、1952年に設立された。FRIでは、工業化されているほとんどすべての棚段と充填物の試験を行っていて、標準的な棚段塔・充填塔の設計法を確立しており、世界標準として活用されている。
元 東京理科大学 大江 修造 氏
3.X線技術等による石油化学プラント蒸留塔等装置内プロセス流の可視化 (11:20~12:00)
石油化学プラント等の現場では古くからX線撮像技術は金属を被検体に行われ今やポピュラーなポジションにある。本講演では現在取り組んでいる現場X線技術等の高度化の中から、近年市場投入が加速している工業用フラットパネル検出器に代表されるデジタルRT技術を活用した蒸留塔や配管など金属越し気液流状態X線ダイナミックイメージングの取り組みを現場実機実例も含め紹介する。
三菱ケミカル 三浦 到 氏
<昼 食 12:00 ~13:00>
4. 蒸留塔の高度制御による最適運転・その際に発覚するトラブル事例 (13:00~13:40)
蒸留塔において多変数モデル予測制御などを利用した高度制御による自動最適運転を構築・準備運用する際のポイントと、追加のテクニックについて簡単に解説。またこれらの高度制御を実際に導入する際に発覚・遭遇した蒸留塔の運転や機器のトラブル事例について、対策などを踏まえて紹介する。
日本ハネウェル 瀬戸 邦彦 氏
5. 蒸留塔へのモデル予測制御導入におけるプロセスモデル構築事例 (13:40~14:20)
蒸留塔へのモデル予測制御導入事例は数多いが、その際に制御性能を大きく左右するのがコントローラ内に構築されるプロセスモデルと実プロセスの一致状況、つまりプロセスモデルの正確さである。プロセスモデル作成のためのステップ応答テストで良い応答が得られれば問題ないが、プロセスによっては応答テストで良い応答が得られないことが多々ある。その時の対応策について紹介する。
横河ソリューションサービス 渡辺 雅弘 氏
6. HERO:数理最適化によるプラント全体省エネ検討手法 (14:20~15:00)
化学プラントの正味のエネルギー消費削減には、省エネ要素技術を生かす全体構成の検討が鍵となる。このような検討に関して、プロセス系に加えて用役系までも対象とした包括的最適化手法HERO (Hybrid Energy system Re-Optimization) を紹介する。
東洋エンジニアリング 高瀬 洋志 氏
<休憩 15:00 ~15:10>
7.蒸留分離プロセスの省エネ革新 ヒートポンプ式蒸留装置 (15:10~15:50)
蒸留工程は気液接触型の分離プロセスとして、工業的に最も普及しており、化学工業プロセス全体の約40%のエネルギーを消費しているとされている。木村化工機では、この蒸留プロセスの省エネ化に長年取り組んできた。今回、蒸留工程に適した高COPヒートポンプを利用した蒸留の画期的な省エネシステムについて紹介する。
木村化工機 池田 博史 氏
8.フォーリングフィルムエバポレータの設計(仮題) (15:50~16:30)
フォーリングフィルムエバポレータは、高粘性成分を含むプロセスで、軽質分を沸騰させる蒸留塔に併設される。真空下での使用が多く、機構的に縦型サーモサイフォンと似ているが、伝熱管内壁に液を流下させ、液表面から蒸発を促すという特徴を持っている。設計にあたって特別な配慮が必要であり、そのクライテリアを示す。
HTRI 宮本 仁志 氏
9・住友の蒸留設備の紹介 (16:30~17:10)
住友の省エネ蒸留システム“カラムインカラム®(充填物、トレイ型)”に加え、ハイキャパシティー型規則充填物(SFLOW HPシリーズ)や付帯設備(FFリボイラー)等の商品についてご紹介する。
住友重機械プロセス機器 山下 直輝 氏
<ご参考> 前回の参加者のアンケートから
・ ソフトセンサーを用いることで日常の運転管理だけでなく、予測もできると勉強になった。(化学)
・ トラブル事例の講義がとても為になった。(化学)
・ 蒸留操作時のトラブル事例や安全に操作するための注意点が聞けてよかった。(化学)
参加費: 正・維持・特別会員・協賛団体会員 20,000円,同時入会 25,000円,会員外 30,000円,学生 5,000円
(テキストの他に,書籍 分離技術シリーズ「トラブルから学ぶ蒸留塔の保全」(贈呈)を含みますが,申込時に限り,同じシリーズの下記書籍1冊と変更できますので,参加申込書の備考欄にご希望の書籍名をご記入下さい。)
A「増補 充てん塔の話Packed Tower」 B「改訂新版トレイパッキング」 C「実用蒸留技術」
D「復刻新版 多成分系の蒸留 」 E「やさしい蒸留-ポットスチルの首の形状から学ぶ-」
(※ただし学生参加費にはテキストのみで上記書籍は含まれません)
参加費は,郵便振替または下記銀行に前納にてお振込み下さい。
郵便振替: 00100-9-21052, 口座名 分離技術会
銀行振込: みずほ銀行 神田支店, 普通預金 1010899, 口座名 分離技術会
申込先: 参加ご希望の方は必要事項をご記入のうえ,下記事務局までe-mail またはFAXにてお申込下さい。
申し込み締切日 2021年2月12日(金),ただし締切日前に定員に達した場合は,その時点で締め切らせて頂きますので,お早めの申込みをお願い致します。参加人数が少ない場合には開催しないこともあることをご承知おき下さい。
〒214-0034 神奈川県川崎市多摩区三田1-12-5-135 分離技術会 事務局
TEL: 044-935-2578 FAX: 044-935-2571 e-mail: jimu@sspej.gr.jp
オンライン開催にあたっての特記事項:
1.1名の参加登録により、ご本人または1名の代理の方のPCまたはスマホによる参加が可能です。
2.聴講には、遠隔会議システム(Zoom)の環境準備(マイク、スピーカー、LAN(有線が望ましい))が必要となります。 (Zoomはインストールを行わずブラウザでの利用も可能ですが、「Zoomクライアントソフト」のインストール(最新版)を推奨します)それらの不調等により聴講できなかった場合も参加費の返金は致しません。ご了解願います。ご希望の方には、開催前日および当日1時間半前より接続テストを実施する予定です。
3.講演テキストおよびご希望の書籍については、講演会の1週間前に、参加申込書記載の住所へ分離技術会事務局より郵送いたします。
4.本講習会で作成・使用する資料および配信動画は著作物のため、複写・録音・録画・転載・無断公開等を禁止いたします。当日の PC、スマホ画面のレコーディング、写真・ビデオ撮影、スクリーンショットなどもご遠慮ください。