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第53回 化学工学の進歩講習会「最新情報技術活用によるプロセス産業スマート化- AI,IoT,MIの基礎から最前線まで -」

  • 日程:12月3-4日(火-水)
  • 会場:名古屋市工業研究所

概要

主催:化学工学会東海支部

日時:令和元年12月3日(火),4日(水)

場所:名古屋市工業研究所(名古屋市熱田区六番3-4-41 )第1会議室

交通:地下鉄名港線(金山から名古屋港行)六番町下車,③番出口より徒歩1分

概要:

計算機の高速・大容量化に加えて,膨大で多彩なデータを扱う情報技術の進展は目覚ましく,人間を超えるシンギュラリティーも近いと言われます.将棋やチェスなどのゲームの世界ではすでに人間を凌駕する人工知能が開発されていますが,プロセス産業においても情報技術の活用が始まっています.そこで, AI(Artificial Intelligence),IoT(Internet of Things),MI(Materials Informatics)の基礎から最先端の情報技術(統計的手法,ベイズ推定,ニューラルネット,機械学習等)および活用事例(分子設計や材料設計を含む製品開発,プラントの設計,運転,制御,ソフトセンサー,実験計画等)について,日本を代表する研究者や最先端でご活躍の技術者にわかりやすく解説していただく贅沢な機会を設けました.各企業での業務スマート化に向けて,大いに貢献できる講習会です.多くの方々のご参加を心よりお待ちしております.

共催:石油学会東海化学工業会日本化学会東海支部日本機械学会東海支部,日本鉄鋼協会東海支部 ,分離技術会システム制御情報学会

協賛(予定):中部科学技術センター化学工学会SIS部会化学工学会安全部会化学工学会超臨界流体部会化学工学会分離プロセス部会化学工学会材料・界面部会化学工学会環境部会化学工学会化学装置材料部会化学工学会粒子・流体プロセス部会化学工学会熱工学部会化学工学会反応工学部会化学工学会産学官連携センターグローバルテクノロジー委員会静岡化学工学懇話会共晶会,健友会,ISPE日本本部,日本PDA製薬学会製剤機械技術学会計測自動制御学会計測自動制御学会中部支部電気学会東海支部情報処理学会東海支部日本オペレーションズ・リサーチ学会日本設備管理学会

-第1日目 12月3日(火)-

1.  AI・IoT技術の基礎から最前線まで~プロセス産業における活用に向けて~ (10:05-10:55)           (東京農工大学)山下 善之 氏
AI・IoT技術に代表されるICTの発展は,留まるところを知らない勢いである.プロセス産業においても,さまざまな活用が行われ成果を上げている.ここでは,関連技術の基礎から最前線までを概観し,プロセス産業におけるAI・IoT活用の留意点と今後の可能性について解説する.

2.  知識とデータの統合活用による生産性向上の実現 (11:05-11:55)
(京都大学)加納 学 氏
そろそろ人工知能ブームも終わりだろうという声も聞こえてくるが,有用な先端技術を取り込みつつ,プロセスや製品についての知識とデータを統合して活用することが重要である.本講演では,第一原理モデルも含めて,知識とデータの統合活用事例を紹介しつつ,仮想計測を含むプロセス解析技術,不良品発生原因等を究明するための要因解析技術,多工程生産プロセスの生産性最大化を実現する装置組合せ最適化技術などについて述べる.

3. 医薬品業界におけるProcess Systems Engineeringの最新動向 ~連続生産/クロマトグラフィー/近赤外への展開~(12:05-12:55)
(ファイザー・ファーマ)無敵 幸二 氏
医薬品開発製造におけるProcess Systems Engineering(PSE)の最新動向について報告する.近年注目を浴びている連続生産プロセスにおいては,Mass Balance及び近赤外線センサーによるAPI濃度推定監視,異常検知システム,Feeder制御における制御性改善などの応用例を紹介する.分析関係では,クロマトグラフィーにおける計測条件の最適化や,近赤外線におけるCalibration-Free手法などの事例を紹介する.

4. 生成モデルによりデータの可視化・回帰分析・モデルの逆解析を同時に達成する方法および分子設計・材料設計への応用 (13:55-14:45)
(明治大学)金子 弘昌 氏
分子設計・実験計画法分子設計・材料設計において,物性/活性が測定された化合物や材料を用いて,化合物の化学構造情報や材料を数値化したものをx,物性/活性をyとして,物性/活性推定モデル y=f(x) が構築される.モデルを用いることで,xのみからyを推定できる.さらに,モデルを逆解析することで目標のyを達成するxを獲得することも可能である.本講演では生成モデルにより効率的にデータの可視化・回帰分析・モデルの逆解析を実施する方法について解説する.

5.  結晶成長における機械学習活用(SiC溶液成長を例に) (14:55-15:45)
(名古屋大学)宇治原 徹 氏
我々は,溶液法による高品質SiC結晶の開発を行っている.すでに超高品質結晶成長技術を確立しているが,実用化のためには大口径化が必要となる.我々は,機械学習を用いて溶液成長における溶液内部環境を瞬時に予測する代理モデルを構築,それを用いた最適条件探索を行っている.

6.  期待されるイノベーションと社会実装 (15:55-16:45)
(アズビル)高井 努 氏
AI,IoT,MI技術が注目を浴びると同時に,イノベーションという言葉も一層飛び交うようになった.果たして我々はイノベーションを起こせているのであろうか.日進月歩で進化する科学技術を現実の世界に実装し,実益を上げてこそエンジニアリングであると考える.本講演では,技術トレンドと当社の技術研究,製品化の取り組みを振り返りつつこの課題について考える.その上で,期待させるイノベーションと価値ある社会実装について述べる.

-第2日目 12月4日(水)-

7.  データサイエンス手法を用いた化学プロセスモデリング (9:30-10:20)
(名古屋大学)川尻 喜章 氏
効率的な化学プロセスを設計・運転するためには,信頼できるモデルを構築する必要がある.本発表では,データサイエンス手法を化学プロセス開発に適用した事例を紹介する.特にモデルのパラメータを推定する手法として,回帰による方法とサンプリングによる方法の2種類を考える.具体例として,非線形回帰手法を用いた吸着プロセス設計,更には晶析プロセスのデータ駆動型モデリングについて紹介する.

8.  医薬品連続生産プロセスにおけるPAT (10:30-11:20)
(東京大学)船津 公人 氏
化学・産業プロセス等において測定が困難な対象をオンライン・リアルタイムに推定する手法としてソフトセンサーが広く活用されている.医薬品製造プロセスでは,錠剤を製造する際に原料のばらつきや製造設備の変動等の外乱がある中でも医薬品としての高い品質を満たしながら効率かつ安定的に製造することが求められる.本講演では連続生産プロセスのためのPATの現状と課題に触れながら,最新のソフトセンサー技術およびソフトセンサーを活用した医薬品製造プロセス管理について述べる.

9.  三井化学でのソフトセンサー事例紹介 ~PSE143WS32「ソフトセンサー実装」での開発ツール活用~ (11:30-12:20)
(三井化学)大寳 茂樹 氏
三井化学ではPIMS(プラント情報管理システム)で20年近く蓄積した数万点におよぶビッグデータの更なる活用が求められている.日本学術振興会第143委員会のワークショップ32活動「ソフトセンサー実装」にて,企業でのソフトセンサー運用を主体に考えたオフライン/オンラインツールを開発した.今回,同ツールを用いた事例を紹介する.

10.  産業用IoT基盤の要件からクラウド実装とアプリケーション事例紹介 (13:30-14:20)
(横河電機)鳥越 研児 氏
製造業においてもIoTやAIといった最新IT技術を活用することによって,製品品質や設備寿命を向上できることは広く理解されるようになったが,一方で試行錯誤で価値検証を行うには技術的・コスト的に大きなハードルが存在する.本講演では誰もが簡単,安価かつ安全に利用できる産業用IoT基盤を紹介しつつ,アプリケーション事例を通してデジタルツインの導入により期待できる効果について考察する.

11.  プラントエンジニアにとってのサイバーセキュリティ (14:30-15:20)
(名古屋工業大学)橋本 芳宏 氏
サイバー攻撃の脅威が,プラントの安全を脅かすようになってきている現状とそれに対する対策の事例を紹介し,プラントエンジニアの立場では,何ができて,なにをすべきか,自分たちの問題として考えていただくきっかけになることを期待する.

12.  プロセス産業のエンジニアはスマート化の夢を見るか? (15:30-16:20)
(東京農工大学)北島貞二 氏
「製造業のスマート化」が喧伝されているが,とくに国内ではその大半が組立加工系のディスクリート産業(Factory)を対象としている.一方で(意外なことにも),プロセス産業(Plant)は自動化に関してディスクリートよりも進んでいるとも考えられている.そもそもプロセス産業におけるスマート化とは何なのか? こうした議論をエンジニアリング業務プロセスという観点から見直し,「本当に必要だったもの」を考える契機としたい.

定     員  100名 (定員を超えた場合にはお断りすることがあります)

配 布 資 料 各講演資料を配布します

参  加  費 (配布資料代・消費税を含む)

化学工学会正会員 30,000円
化学工学会法人会員社員/共催・協賛団体(個人・法人)会員 35,000円
化学工学会学生会員/共催・協賛団体学生会員 5,000円
会員外 70,000円
後日,参加証をお送りいたします.参加証は当日ご持参下さい.

申 込 期 限 令和元年11 月27日(水)←わずかに残席ありますので延長します。定員に達した場合は、期限に限らず締め切りとさせていただきます。

お申し込みについて

「第53回 化学工学の進歩講習会「最新情報技術活用によるプロセス産業スマート化- AI,IoT,MIの基礎から最前線まで -」」へのお申し込み受付は「2019年11月27日」に締め切らせて頂きました。

たくさんのお申し込みありがとうございました。

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