概要
主催:化学工学会東海支部
共催:色材協会中部支部,資源・素材学会,触媒学会,石油学会,東海化学工業会,日本LCA学会,日本化学会東海支部,日本機械学会東海支部,日本セラミックス協会東海支部,日本鉄鋼協会東海支部,日本粉体工業技術協会,日本油化学会東海支部,日本レオロジー学会,廃棄物資源循環学会,表面技術協会中部支部,分離技術会,レアメタル資源再生技術研究会
協賛:中部科学技術センター,粉体工学会,化学工学会超臨界流体部会,化学工学会分離プロセス部会,化学工学会材料・界面部会,化学工学会環境部会,化学工学会化学装置材料部会,化学工学会粒子・流体プロセス部会,化学工学会熱工学部会,化学工学会反応工学部会,化学工学会産学官連携センターグローバルテクノロジー委員会,日本混相流学会,静岡化学工学懇話会,共晶会,健友会,日本溶剤リサイクル工業会
日時:平成30年11月29日(木),30日(金)
場所:名古屋大学 VBL 3F・ベンチャーホール (名古屋市千種区不老町,http://www.vbl.nagoya-u.ac.jp/ )
交通:地下鉄名城線「名古屋大学」駅下車 3番出口より徒歩3分
エネルギーや環境問題が深刻化する中で,マテリアル研究も個々の特性や組織に関する詳細な研究と併せて,使用廃棄も含めた物質循環システム全体を俯瞰,統合し,部分系相互の関わりを考える思考が必要である.今回の東海支部主催の“第52回化学工学の進歩講習会”では,マテリアルの資源採掘から機能創出やプロセス,3R等に関する最新の技術を採り上げ,講義,紹介するとともに,それらを俯瞰,体系化する事により,21世紀に向けたマテリアルの研究開発の在り方を問う.多くの方の参加をお待ちしています.
-第1日目 11月29日(木)-
1. システム思考とマテリアル (9:00-9:55) (名古屋大学)北 英紀 氏
エネルギーや環境問題が深刻化する中で,マテリアル研究も個々の特性や組織に関する詳細な研究と併せて,使用廃棄も含めた物質循環システム全体を俯瞰,統合し,部分系相互の関わりを考える思考が必要である.マテリアルの資源採掘から機能創出やプロセス,3R等に関する最新の技術を俯瞰,体系化する事により,今後に向けたマテリアルの研究開発やその在り方を問う.
2. 炭素循環型社会形成におけるCO2利用技術のポテンシャルとメタネーションによる
CO2利用プロセス開発動向 (10:00-10:55) (名古屋大学)則永 行庸 氏
火力発電所等の集中発生源からのCO2を原料とし,燃料や化学製品等の有価物へと転換するCO2有効利用(CCU: CO2 Capture and UtilizationあるいはCCR: CO2 Capture and Reuse)が,注目されている.炭素循環型社会形成構築におけるCCRのポテンシャルや,再エネ由来の水素によるCO2のメタン化(メタネーション)プロセスの開発状況について概説する.
3. ジオポリマーとその新展開 (11:00-11:55) (名古屋工業大学)橋本 忍 氏
ジオポリマーとは,化学的にはAlを含みKやNaなどのアルカリイオンが作用して固化したシリカネットワーク非晶質無機ポリマーといわれている.ジオポリマーだから達成できた新しい作製法,耐熱,耐酸特性の紹介から,さらにジオポリマーをバインダーとして用いた焼かない無機固化体の作製法についてまで広く紹介する.
4. 白金代替触媒および白金使用量低減化技術 (13:00-13:55) (信州大学)福長 博 氏
高性能な発電システムとして,燃料電池の実用化が始まっている.燃料電池において高性能化,耐久性向上などは解決されつつあり,現在は,低コスト化が主要な課題となっている.この解決のために,開発が行なわれている低白金触媒,非白金触媒の開発動向とシステム的思考の有用性ついて解説する.
5. 分離プロセス (14:00-14:55) (名古屋大学)片桐 誠之 氏
使用済み製品や産業廃液から,有用物質を高効率かつ高精度に分離することができれば,廃棄物に資源としての価値を与えることができる.液中の資源の回収に用いられる様々な分離技術を紹介し,特に沈降・遠心分離などの密度差分離と膜分離について,分離挙動の解析法と操作条件確立のためのデータ収集法を解説する.
6. 超臨界・亜臨界流体を用いた有機マテリアルの抽出分離 (15:00-15:55) (名古屋大学)神田 英輝 氏
物質を超臨界・亜臨界状態にすると常圧では見られない抽出能力を発現させることが可能である.これまでに抽出操作に利用されてきた二酸化炭素や水だけでなく,近年注目されているジメチルエーテルによって抽出操作が新たに適用可能になった事例も交えて紹介する.
-第2日目 11月30日(金)-
7. 軽量材料 (9:30-10:25) (名古屋大学)小橋 眞 氏
輸送機器の燃費改善・CO2排出量低減において,構造部材の軽量化は必須の課題である.比重が4~5以下の金属材料は軽金属に分類され,比重2.7のアルミニウムは,代表な軽金属材料である.ここでは,アルミニウムへの合金元素添加と熱処理による高強度化,および,ポーラス化による一層の軽量化について概説する.
8. トータルで考える炭素繊維強化樹脂複合材料の性能 (10:30-11:25) (名古屋大学)入澤 寿平 氏
炭素繊維強化樹脂(CFRP)に高い関心が集まる中で,製造プロセスに課題を抱えている.本講義では,炭素繊維・CFRPの優れた力学物性について設計の観点から解説を行うとともに,抱える課題に対して行われている最先端の研究について紹介する.
9. 反応場としての超臨界水の特徴と有機系資源変換などへの応用 (12:30-13:25) (名古屋大学)高見 誠一 氏
超臨界水とは高温・高圧の水の一状態であり,特異な物性を示すことから反応溶媒としての利用が注目されている.ここではその特徴を概説するとともに,様々な有機系資源変換に用いた例を紹介し,触媒として用いた金属酸化物ナノ結晶の合成プロセスについて触れたい.
10. 都市鉱山 (13:30-14:25) (国立研究開発法人物質・材料研究機構)原田 幸明 氏
都市鉱山とは地球環境圏に存在する天然鉱山と異なり人間経済圏に持ち込まれた資源を指す.都市鉱山の規模はどのくらいあるか,都市鉱山の開発はいかに進められるか,さらに資源効率とSDGs(持続可能な開発ゴール)の観点からの都市鉱山開発の意義について述べるとともに,新しい循環経済の方向性とその中での都市鉱山開発の位置づけについても触れる.
11. LIME3 -グローバルLCAを実現するための影響評価手法- (14:40-15:35)(東京都市大学)伊坪 徳宏 氏
我が国の製品やサービスをライフサイクルの視点から定量的に分析するLCAを適切に実施するには,輸入相手国や輸出先への影響について地理的な差異を考慮しつつ分析することが求められる.本講演では,自然科学的な知見と社会科学の分析方法に基づいて気候変動,水,生物多様性,資源循環といった地球規模の問題を対象に地域性を考慮しつつ環境影響の被害量や経済影響を評価することを可能にする手法として開発されたLIME3の概要と意義について,事例とともに紹介する.
12. エントロピー生成と熱力学的視座でのものづくり (15:40-16:35) (明治大学)山口 智彦 氏
「ものづくり」のスタートからゴールに至る工程において,失われるものがあり,逆に増えるものがある.宿谷昌則氏が提唱したエクセルギー・エントロピー過程もふまえつつ,「増えるものの増加速度」を指標とするものづくりについて論考する.
定 員 100名 (定員を超えた場合にはお断りすることがあります)
テ キ ス ト 「物質循環とマテリアル開発」化学工学会編(予定)
関数電卓(演習がある場合)をご用意下さい.
参 加 費 (テキスト代・消費税を含む)
化学工学会正会員:30,000円,化学工学会法人会員社員/共催・協賛団体(個人・法人)会員:35,000円,化学工学会学生会員/共催・協賛団体学生会員:5,000円,会員外:70,000円
☆お申込み方には,参加証をお送りいたします.参加証は当日ご持参下さい.
申 込 期 限 平成30年11 月26日(月)←延長いたします。
お申し込みについて
「第52回 化学工学の進歩講習会「物質循環とマテリアル開発(マテリアル開発におけるシステム的思考の有用性)」」へのお申し込み受付は「2018年11月28日」に締め切らせて頂きました。
たくさんのお申し込みありがとうございました。