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第50回 化学工学の進歩講習会「気液固分散系現象の基礎と応用」 (ファインバブル,マイクロカプセル,スラリー,パウダーのハンドリング)

  • 日程:11月9-10日(水-木)
  • 会場:名古屋市工業研究所

概要

主催:化学工学会東海支部
共催:化学工学会気液固分散工学分科会,化学工学会熱物質流体工学分科会,化学工学会ミキシング技術分科会,化学工学会粒子・流体プロセス部会,化学工学会熱工学部会,化学工学会材料・界面部会,化学工学会反応工学部会,化学工学会産学官連携センターグローバルテクノロジー委員会,色材協会中部支部,静岡化学工学懇話会,東海化学工業会,日本化学会東海支部,日本セラミックス協会東海支部,日本粉体工業技術協会,日本油化学会東海支部,表面技術協会中部支部,電気化学会東海支部,分離技術会, 日本機械学会東海支部
協賛:中部科学技術センター,日本レオロジー学会,日本バイオレオロジー学会,日本混相流学会,日本食品工学会,日本食品科学工学会,粉体工学会,日本香粧品学会,腐食防食学会中部支部,土木学会中部支部,日本水環境学会,ISPE日本本部,日本PDA製薬学会,製剤機械技術学会(予定)

日時:平成28年11月9日(水),10日(木)

場所:名古屋市工業研究所 第一会議室 (名古屋市熱田区6番3-4-41)

交通:地下鉄名港線(金山から名古屋港行き)「六番町」駅下車 3番出口より徒歩1分

ファインバブル水,電極用スラリー,ファインセラミックスラリー,トナー,化粧品などは,機能性が付加された多相系の流体であり,それらの性質を活用した応用事例が展開されつつあります。一方,そのような流体のハンドリングには,従来の手法では整理できない場合があります。そのために新しい観点からのアプローチが必要になる例が多いです。そこで,本講習会では,業界の第一線でご活躍の講師陣をそろえ,テキストも従来同様,基礎・装置・トピックスと基礎から最新技術まで分かる充実したものをご用意しました。

第1日目 11月9日(水) (9:30-16:40)
【固液分散系基礎】粒子分散系のレオロジーと分散・塗布・乾燥プロセスへの応用(9:30-10:20)
神戸大学准教授 菰田悦之氏
神戸大学教授 鈴木洋氏
溶液中に分散された粒子は様々な凝集構造を形成することで粒子分散液のレオロジーは複雑に変化する。従って,レオロジー特性は粒子分散に伴う構造形成過程,塗布時の構造変化および乾燥初期の内部構造の理解に有用である。本講では,高濃度粒子分散液のレオロジー計測に基づいて,その膜形成プロセスおよび内部構造変化を解析した実例を紹介する。

【気液分散系基礎】粘性流体中を上昇する単一気泡・液滴のダイナミクス(10:20-11:10)
徳島大学教授  太田光浩氏
気液分散系の操作において,液体中を上昇する単一気泡の運動は最も基本となる。古くから非常に多数の研究は行われてきたが,近年では非常に興味深い現象も報告されている。本講では,まず粘性流体中を上昇する単一気泡・液滴の運動の理論的な取り扱いについて説明し,これらの運動を支配する物理無次元数の導出について述べる。これらの運動の基礎的特性や各種予測式を紹介し,まだ残されている課題について述べる。また,活発に行われている単一気泡・液滴のダイナミクスの数値解析の概略について述べ,その事例を紹介する。

【液液分散系基礎】マイクロカプセル形成における界面ダイナミクスと数値シミュレーション(11:10-12:00)
埼玉大学准教授 本間俊司氏
キャピラリーによる複合液滴生成を利用したマイクロカプセル形成は古くから行われているが,微細加工技術の発展により数十マイクロメートル程度の均一なマイクロカプセル生成が可能になっている。本講では,複合液滴の生成について,粘度や界面張力など現象を支配する因子について概説し,液滴生成のメカニズムについて説明する。また,生成装置設計に対する数値シミュレーションによるアプローチについて紹介する。

【ファインバブル基礎】ファインバブルの基礎と展望および国際標準化(13:00-13:50)
慶應義塾大学教授 寺坂宏一氏
東京電機大学准教授 小林大祐氏
ISOで国際標準化名称とされたファインバブル(マイクロバブルとウルトラファインバブルに分類)は非常に広い用途で利用でき,最近では国内各地域での産業創成にも寄与している。本講では,ファインバブルの活用を示唆する基礎的な性質と将来展望を紹介し,日本発の革新的技術であるファインバブルの国際標準化の必要性も紹介する。

【固気分散系基礎~応用】産業体系における固気・固液系シミュレーションの基礎と実際(13:50-14:40)
東京大学准教授 酒井幹夫氏
高濃度固気・固液混相流の数値シミュレーションには,離散要素法(Discrete Element Method)と数値流体力学(Computational Fluid Dynamics)を連成した手法が広く用いられる。本報では,固気および固液混相流として,Eulerian-Lagrangian法およびLagrangian-Lagrangian法の最先端技術と産業応用事例を紹介する。

【気液分散系基礎~応用】装置における分散系気液二相流シミュレーションの実際(15:00-15:50)
住友化学(株) 島田直樹氏,仙田早紀氏
分散系気液二相流のシミュレーションについて概説する。まず,今後開発する技術にシミュレーションを活用しようと目論む若手研究者や学生のために,簡単な導入をおこなう。次に,二相流シミュレーションの一般的な手法を紹介する。最後に,本分野における最近の動向について述べる。

【レオロジー基礎~応用】粘弾性流体のレオロジー特性と高粘性流体の脱泡への応用(15:50-16:40)
名古屋工業大学准教授 岩田修一氏
本講では,流体のレオロジー特性を概説し,界面からの泡の混入メカニズムや流体中での泡の振る舞いについて説明する。また,産業界で使われているバッチ式,連続式の脱泡方法についてその原理を中心に紹介し,高粘度溶液のレオロジー特性を活用した新規な脱泡方法について原理とその連続プロセスへの応用事例を紹介する。

第2日目 11月10日(木) (10:00-16:40)
【ファインバブルトピックス】資源・環境分野へのファインバブルの応用(10:00-10:50)
名古屋大学准教授 安田啓司氏
ファインバブルは,気液界面積が大きいので気体の溶解速度が高く,表面が帯電し,浮上速度が低いので,物質の吸着性能が高いなど様々な特徴を有している。本講では,オゾンをファインバブル化した排水中の難分解性物質の分解,空気を用いたエマルションからの油分回収,メタンハイドレート生成への応用事例を紹介する。

【ファインバブル基礎~応用】超音波洗浄とキャビテーション(10:50-11:40)
慶應義塾大学専任講師 安藤景太氏
超音波洗浄は,半導体・精密機器・光学部品の製造過程において極めて重要なプロセスであるが,その物理洗浄メカニズムの詳細は未だ解明されておらず,用途に応じて超音波パラメータや洗浄液の種類を経験的に選択する必要がある。本講演では,超音波照射下の洗浄液中で発生するキャビテーション気泡の運動がもたらす物理洗浄効果に着目し,超音波洗浄の高効率化およびダメージレス化に向けた設計指針を新たに提案する。

【気液,固液分散系応用】気液,固液撹拌の操作・設計手法と実際(13:00-13:50)
名古屋工業大学教授 加藤禎人氏
撹拌槽設計で最も重要なもの撹拌所要動力である。乱流撹拌では「撹拌所要動力」は乱流エネルギーに関係するため様々な性能評価の基準として最も役立つ物理量である。固液・気液撹拌では,乱流撹拌槽中の気泡表面あるいは固体表面の液境膜の物質移動が支配的であるので,物質移動係数を評価することがポイントとなる。

【生物分散系基礎~応用】リン脂質ベシクルの生成・分散技術の基礎と実際(13:50-14:40)
山口大学准教授 吉本 誠氏
生体膜の基本構造をつくるリン脂質分子は,水中において,直径数十~数百ナノメートルの微小液滴を内包したベシクルを形成する。このベシクル懸濁系は,分散,凝集,融合,分裂させることができ,細胞膜モデルや薬物担体,化学反応場等の様々な用途に応用されている。本講では,脂質ベシクルを中心とした生体コロイド粒子の生成と特性の基礎,ベシクルと流体の特性を考慮する分散性制御について概説する。また,これらの現象の応用例についても最新の動向を含めて紹介する。

【固液分散系基礎~応用】化粧品におけるレオロジーとサイコレオロジー(15:00-15:50)
花王(株)名畑嘉之氏
化粧品には機能(化粧肌の見栄え,肌ケア等)に加え,製品の保存安定性や使用感の良さも求められる。そのため,化粧品には多成分で複雑な構造を有するものが多い。レオロジーはモノの変形・流動を扱う研究手法であるが,本講では,化粧品の構造推定や使用感の定量評価(サイコレオロジー)へのレオロジーの応用検討例を紹介する。

【固液分散系基礎~応用】微粒子ハンドリングの基礎と評価,最近の展開(15:50-16:40)
名古屋工業大学准教授 白井 孝氏
名古屋工業大学教授 藤 正督氏
一般的に,粉体の粒子径が小さくなるにつれて比表面積が増加し,全般的性質に対する表面の寄与が大きくなるが,超微粉体領域に入ると,バルクの特性とは質的に異なる性状が認められるようになる。そのため,粒子特性の制御や粒子表面設計,更には機能性付与やバルク体としてのマクロ物性制御を可能にするため,微粒子ハンドリング技術への注目が高まっている。本講では,セラミックス微粒子のハンドリング技術の基礎とその評価法,材料創生の研究分野における微粒子ハンドリング技術の事例について紹介する。

定     員 100名 (定員を超えた場合にはお断りすることがあります)
テ キ ス ト 「気液固分散系現象の基礎と応用」化学工学会編(予定)
演習を行うかもしれませんので関数電卓をご用意下さい。

参  加  費 (テキスト代・消費税を含む)

化学工学会正会員 30,000円
化学工学会法人会員社員/共催・協賛団体(個人・法人)会員 35,000円
化学工学会学生会員 5,000円
会員外 70,000円
参加証をお送りいたします。参加証は当日ご持参下さい。
(1日目と2日目の参加者が別の方でも結構です。受付で参加証を提示して下さい。)

お申し込みについて

「第50回 化学工学の進歩講習会「気液固分散系現象の基礎と応用」 (ファインバブル,マイクロカプセル,スラリー,パウダーのハンドリング)」へのお申し込み受付は「2016年11月8日」に締め切らせて頂きました。

たくさんのお申し込みありがとうございました。

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